「娘を死なせた運転手に社会奉仕120時間」父親が裁判官にイスを投げる動画が再拡散 実は2014年のオランダの事件、その後禁錮15か月に
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父親が法廷で裁判官に向かってイスを投げる動画が、10月8日ごろから海外のアカウントを中心に広がっている。
添えられた説明は「2歳の娘と祖父母を死なせた運転手が、社会奉仕120時間の判決だった」というもの。
ただ、これは新しい出来事ではない。
2014年11月、オランダ南部ルールモントの地方裁判所で起きたことだ。
事故は2013年5月、オランダ南部リンブルフ州のメイエルで起きた。
自転車に乗っていた67歳の祖父と64歳の祖母、後ろに乗っていた2歳の孫娘が車にはねられ、3人とも亡くなった。
運転していたのは当時33歳のポーランド人の男性だった。
参考:Rechtbank legt taakstraf na doodrijden kind uit(NOS) / Vader doodgereden meisje (2) gooit stoel naar rechter(Omroep Brabant)
地裁は「重大な非難には当たらない」と判断
検察は禁錮15か月を求めていた。
しかし地裁は、男性が車の制御を失って自転車道に入ったことは認めたものの、大幅なスピード違反は立証されていないとした。
前科がないことも考慮し、重い刑はふさわしくないとして社会奉仕120時間を言い渡した。
判決の直後、亡くなった女の子の父親がイスを持ち上げて裁判官の方へ投げた。
現地の放送局の映像では、イスは裁判官の手前の床に落ちている。
父親は警察官に法廷の外へ連れ出された。
参考:NOS / Omroep Brabant
控訴審で禁錮15か月、免許停止4年に
検察は控訴した。
警察の調べでは、制限速度80キロの道を少なくとも時速120キロで走っていたとされたためだ。
2015年9月、デンボスの高等裁判所は禁錮15か月と運転免許の停止4年を言い渡した。
どちらも検察の求刑(禁錮1年・免許停止3年)より重い。
高裁は、時速76〜124キロで走っていた可能性が99%あるとして、地裁より速い速度を前提にした。
参考:Vijftien maanden celstraf voor doodrijden peuter uit Heesch, opa en oma(Omroep Brabant)
その後は国外へ、刑の途中で帰国
男性は最高裁にあたる上告審に持ち込み、その間にオランダを出た。
2016年8月、季節労働をしていたイギリスで身柄を確保された。
2017年4月末には、恋人の出産を理由に刑の執行を中断してポーランドへ戻った。
外国人受刑者の送還の仕組みが使われ、オランダへの再入国は禁止。
残りの刑期は執行されないことになった。
当時の法務副大臣が止めようとしたが、刑の執行を審査する機関の判断で覆らなかったと報じられている。
遺族は地元メディアに、受け入れがたい結末だと語っていた。
参考:‘Zwangerschapsverlof’ zet streep door celstraf(NOS) / Pool die 2-jarig meisje en grootouders doodreed vervroegd vrij(Omroep Brabant) / Vader verbijsterd over vrijlating(Omroep Brabant)
拡散している画像は実際の映像とは別物
今回の投稿には、動画とあわせてイスが宙を舞う写真も付いている。
ただ、写真には英語の札や小槌が写っており、オランダの法廷の実際の映像とは様子が違う。
実際の場面を元に作られた画像とみられる。
投稿の説明も地裁の判決で止まっていて、その後に刑が重くなったことには触れていない。
3人が亡くなった事故であり、この記事では報道された事実の範囲にとどめている。
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